大暑たいしよ)” の例文
大暑たいしよ井戸ゐどみづまでらしてりつけるころはそれまでに幾度いくたび勘次かんじ穀桶こくをけからるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
打渡うちわたり箱根のたうげも難なく越え藤澤の宿しゆくとまりたる其夜友次郎はにはか熱氣ねつきつよく起りもだえ苦みけるにぞお花の驚き一方ならず土地ところの醫者を頼みて見せけるに是は大暑たいしよの時分に道中を給ひし故邪氣じやき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
靄ごもり大暑たいしよの照りのしづけきは寒むかるがごとし蝶ひらら居る
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
順礼の墓とふ影が大暑たいしよにて山のかかりにあるがしづけさ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)