壁越かべごし)” の例文
ツの壁越かべごしですが、寢臺ねだいわたしこほりついたやうにつて、じつ其方そのはうますと、きました、たかかべと、天井てんじやう敷合しきあはせのところから、あの、女性をんな
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
えきいわく約自ムスブヲイルルニマドヨリス』、まどは明らかなるところなり。たとえば家の内にある人に外より物を言い入るるに、壁越かべごしにいえば聞こえず、まどよりいえば聞こゆ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
目をねむつて耳をすまして居ると、二重、三重、四重ぐらゐ、壁越かべごしに、ことの糸に風が渡つて揺れるやうな音で、ほそく、ひゆう/\と、おばあさん、今お前さんが言つてる其の糸車だ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)