墓参ぼさん)” の例文
旧字:墓參
しばらくしてから、「私のは本当の墓参りだけなんだから」といって、どこまでも墓参ぼさんと散歩を切り離そうとするふうに見えた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
落城後らくじょうごもなく、城跡しろあとの一三浦みうらぞくはかきずかれましたので、わたくし自分じぶん住居じゅうきょからちょいちょい墓参ぼさんをいたしましたが、はかまえつむっておがんでりますと
お松はこの返事に躊躇ちゅうちょしましたのは、墓参ぼさんの帰りに……という気がトガめたのかも知れません。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その女客は浅草区西鳥越町の市川喜太郎と云う人の細君で、墓参ぼさんに往っての帰途かえりみちであった。
魔の電柱 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ところが意外いがいにもこの墓参ぼさんたいへんに里人さとびと感激かんげき種子たねとなったのでございます。
商用をかたがけて墓参ぼさんに帰って来たところであった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
めったに墓参ぼさんおこたるようなことはないのでした。