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堙滅
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いんめつ
ふりがな文庫
“
堙滅
(
いんめつ
)” の例文
「鶯張は今の人が
何程
(
いくら
)
工夫しても出来ないというが、建築家の意見は何うだね? 矢張り
埃及
(
エジプト
)
の
木乃伊
(
ミイラ
)
見たいに
堙滅
(
いんめつ
)
した技術かしら?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
或は蒲生君平となりて涙を山陵の荒廃
堙滅
(
いんめつ
)
に
濺
(
そゝ
)
がしめ、勤王の一気は江戸政府の鼎猶隆々たる時に在りて既に日本の全国に
磅礴
(
はうはく
)
したりき。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
しかし、私の解釈の証拠は浅野が死んだ以上
堙滅
(
いんめつ
)
してしまっている。瀬川の解釈は自然を証人にたてるよりほかには法廷の問題にはならぬ。
犠牲者
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
彼は寝床へもぐり込む前に血の附いた衣類などを
悉
(
こと/″\
)
く
大篝
(
おゝかゞ
)
り火の中へ投げ込んで、むしろ證拠を
堙滅
(
いんめつ
)
するのに骨を折った。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
くずれた雪はその証跡を
堙滅
(
いんめつ
)
せんとするかのように次第々々に消え失せて、いたずらに泥水となって流れ去った。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
……貴方は
最早
(
もう
)
、それで十分に犯罪の痕跡を
堙滅
(
いんめつ
)
したと思っていられるかも知れませんが……しかし……もし……万が一にも私が、あの標本室に残された
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「今日、老中から恩賞の沙汰がありましたが、その原因である朱雀調べという事実が、灰も残らず
堙滅
(
いんめつ
)
されたというのは、少なからず妙な感じのものですな」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これだけの三尊を安置した寺は相当に立派な寺といわなくてはならないが、その寺がまるで
堙滅
(
いんめつ
)
してわからなくなっているというのもどういうわけであろうか。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
その話をしまたは証人となるには同時に告訴者とならざるを得ない地位に自分が立ってるあの事件を、記憶のうちに隠して
堙滅
(
いんめつ
)
さしてしまおうとしていたこと。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
他人に見られては困るというようなものとも思えないのに、ランドリュは軽率の危険をおかして手帳の
堙滅
(
いんめつ
)
をはかった。その辺になにか曰くがあると捜査局では考えた。
青髯二百八十三人の妻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「これは同志会すなわち役場派の者が
証拠
(
しょうこ
)
を
堙滅
(
いんめつ
)
させるために放火したのである」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
こうして彼は、最後の証拠を
堙滅
(
いんめつ
)
してしまった訳である。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
現実と
堙滅
(
いんめつ
)
とのみである。そこでは、
壜
(
びん
)
の底は泥酔を告白し、
籠
(
かご
)
の柄は
婢僕
(
ひぼく
)
の勤めを語る。そこでは、文学上の意見を持っていた
林檎
(
りんご
)
の種は、再び単なる林檎の種となる。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その書物も次第に
堙滅
(
いんめつ
)
して、今は古本屋の店頭にもその形をとどめなくなった。私もその翻刻書類を随分蒐集していたが、それもみな震災の犠牲になってしまったのは残り惜しい。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その書物も次第に
堙滅
(
いんめつ
)
して、今は古本屋の店頭にもその形をとどめなくなった。わたしもその飜刻書類を随分蒐集していたが、それもみな震災の犠牲になってしまったのは残り惜しい。
読書雑感
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
堙
漢検1級
部首:⼟
12画
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“堙滅”で始まる語句
堙滅技術