地内じない)” の例文
政府はこの弊をめるがために神仏混淆を明らかに区別することにお布令ふれを出し、神の地内じないにある仏は一切取りけることになりました。
土手の道哲の地内じないに、腰衣で土に坐り、カンカンと片手でかねを、たたき、たたき、なんまいだなんまいだなんまいだ、片手は上下うえしたに振っている。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
丁度十二月の三日の夕方でございます。薬師様のお堂へまいり、柏手かしわでを打ってしきりに母の眼病平癒を祈り、帰ろうといたしますと、地内じない宮松みやまつという茶屋があります。
しからぬかばい立てを召さる。いまの女は、悪党の一味として、こよいわれわれが捕縄ほじょうをもって追跡して来た者。宮の御祈願所ともある地内じないへ、左様な兇状者をかくまわれるとは心得ん」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「第一この村の地内じないうちを建てながら、まだ挨拶にもせおらんじゃないか」
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
観音の地内じないとすれば、こんなものは必要いらないはずであります。もう一つ可笑おかしいことには、観音様に神馬があります。
「ここは、お庭外でも、大岡家の地内じないです。ひとのやしきへ、たれに断って」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本所ほんじょの五ツ目に天恩山羅漢寺らかんじというお寺がありました。その地内じない蠑螺堂さざえどうという有名な御堂がありました。