国府こくふ)” の例文
旧字:國府
いかにもとおむかしのこと、ところひとも、きゅうにはむねうかびませぬ。——わたくしうまれたところは安芸あき国府こくふちち安藝淵眞佐臣あきぶちまさをみ……代々だいだいこのくにつかさうけたまわってりました。
はい、あの死骸は手前の娘が、片附かたづいた男でございます。が、都のものではございません。若狭わかさ国府こくふの侍でございます。名は金沢かなざわの武弘、年は二十六歳でございました。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私の家の系図はうそまことか受け合われませぬが、この河村からまた別れたとありまして、今日大磯と二宮との中間にある「国府こくふ本郷」、すなわち旧地方庁所在地の氏神が柳田神社というのを見ると
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「——でもにぎりっこぶし一つじゃ、斬り結ぶわけに行かねえ、さすがの吾妻屋も持て余して居るところへ同じ運座の帰りのこれも俳人仲間の湯島の国府こくふ弥八郎様が通りかかり、驚いて飛込んで、マア/\と引わけた」
飛騨吉城よしき国府こくふ村大字宮地字ゴウラ
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)