嘸々さぞ/\)” の例文
見廻みまはつひはなしに身がいり大分だいぶんふけたり嘸々さぞ/\草臥くたびれしならん今夜は寛々ゆる/\と休むがよしと漸々盃盞さかづきをさめ女どもに云付て寢床ねどこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「……令妹御重病の趣き嘸々さぞ/\御憂慮のことと察します。折角帰られた君の心持もほゞ解することが出来ます。御病人の為めにはせめて出来るだけの事をして上げ給へ……」
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
喜「いや、それと申すも、其許の日頃の行状がければこそ、我らは真に世の中のかゞみと信じて居ります、時に御家内様、かたきの行方が知れまして嘸々さぞ/\お悦びでござりましょう」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
けれども一國いつこくな我儘者の圭一郎にかしづいて嘸々さぞ/\氣苦勞の多いことであらうとの慰めの言葉を一言千登世宛に書き送つて貰ひたいといふことだけはいつものやうにくどく、二伸としてまで書き加へた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
讀上よみあぐるに越前守殿憑司ひようじを見られ此願書の趣きにては嘸々さぞ/\無念むねんに思ふなるべし不便の次第しだいなり妻早其方の一人の娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
文「嘸々さぞ/\御愁傷のことで、お見送りもしなかったのは残念だ、頼母たのもしくない」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
上げ能こそ尋ね參られたり彦兵衞殿は不慮ふりよの事にて相果あひはてられ嘸々さぞ/\力落ちからおとなるべしと云に彦三郎は涙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)