單物ひとへもの)” の例文
新字:単物
切りて迯行にげゆき候と申けるに奧田殿扨々さて/\それをしき事なり然らば切たる袖は後の證據とならん是へとて右の袖を見らるゝに辨慶縞べんけいじま單物ひとへものふるきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
義雄は放浪の爲めに心を奪はれ、また、この數日間は、女に熱くなつてゐるので、そんなことには無頓着であつたが、けふ、初めて單物ひとへものでは如何にも寒いのに氣がついた。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
女房にわたすこしだが單物ひとへものでもかはれよと無理むりふところへ入れ此事は決して沙汰さたなしにたのむなりと言捨いひすてて立歸りしが途中には穀平の丁稚でつち音吉に行合けるに重四郎聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
改めしに金子四十三兩と縮緬ちりめん單物ひとへもの木綿もめんすぢの單物眞岡まをか中形ちうがた浴衣ゆかた三枚紛失ふんじつせり因て家主孫八へ委細ゐさいはなして訴へに及しによく日定廻りの同心どうしん孫八方へ出張にて道庵だうあんへ心當りの有無うむ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)