あじお)” の例文
私はこれを日本国民が二千年来この生をあじおうて得た所のものが間接の思想の形式に由らず直ちに人の肉声に乗って無形のままで人心に来り迫るのだ
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
有名な英国の文士ウエルス氏が近頃一書をあらわして世間を騒がした。一体この人はあらゆる方面の智識をあじおうた人で、文士とはいいながら学術的素養が甚だ深い。
自由の真髄 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
さて自身じしんにはいまだ一恋愛れんあいちょうものをあじおうたことはいので。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
、ゆるりとながめもし、あじおうておくもよし……それに又
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少年はあじおうて、天与の霊泉と舌鼓を打っておる。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)