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吸筒
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すいづつ
ふりがな文庫
“
吸筒
(
すいづつ
)” の例文
弁当に
集
(
あつま
)
った。
吸筒
(
すいづつ
)
の酒も開かれた。「関ちゃん——関ちゃん——」私の名を、——誰も呼ぶもののないのに、その人が優しく呼んだ。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吸筒
(
すいづつ
)
が倒れる、中から水——といえば其時の命、命の綱、いやさ
死期
(
しご
)
を
緩
(
ゆる
)
べて呉れていようというソノ霊薬が
滾々
(
ごぼごぼ
)
と流出る。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
萩原新三郎
(
はぎわらしんざぶろう
)
は
孫店
(
まごだな
)
に住む
伴蔵
(
ともぞう
)
を
伴
(
つ
)
れて、
柳島
(
やなぎしま
)
の
横川
(
よこかわ
)
へ釣に
往
(
い
)
っていた。それは五月の初めのことであった。新三郎は釣に往っても釣に興味はないので、
吸筒
(
すいづつ
)
の酒を飲んでいた。
円朝の牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
鼠股引
(
ねずみももひき
)
の先生は二ツ折にした
手拭
(
てぬぐい
)
を草に
布
(
し
)
いてその上へ腰を下して、銀の
細箍
(
ほそたが
)
のかかっている杉の
吸筒
(
すいづつ
)
の
栓
(
せん
)
をさし直して、
張紙
(
はりこ
)
の
髹猪口
(
ぬりちょく
)
の中は
総金箔
(
ひたはく
)
になっているのに一盃ついで
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
山遊びの弁当には酒を入れる
吸筒
(
すいづつ
)
もついていて、
吼噲
(
こんかい
)
の
蒔絵
(
まきえ
)
がしてあった。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
そら
吸筒
(
すいづつ
)
——果して水が有る——而も沢山!
吸筒
(
すいづつ
)
半分も有ったろうよ。やれ嬉しや、是でまず当分は水に困らぬ——死ぬ迄は困らぬのだ。やれやれ!
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
楽しかった……もうそこの茶店で、大人たちは一度
吸筒
(
すいづつ
)
を開いた。早や七年も前になる……梅雨晴の青い空を、流るる雲に乗るように、松並木の梢を縫って、すうすうと尾長鳥が飛んでいる。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しめた! この男のこの大きな
吸筒
(
すいづつ
)
、これには
屹度
(
きっと
)
水がある! けれど、取りに行かなきゃならぬ。さぞ痛む
事
(
こッ
)
たろうな。えい、
如何
(
どう
)
するもんかい、やッつけろ!
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
吸
常用漢字
小6
部首:⼝
6画
筒
常用漢字
中学
部首:⽵
12画
“吸”で始まる語句
吸
吸殻
吸血鬼
吸物
吸込
吸口
吸物椀
吸子
吸盤
吸付