名代みやうだい)” の例文
をかしいなと思つたけれどちつとは己惚うぬぼれもあるわね。まあ名代みやうだいへ坐り込んだ。すると女がやつて来て、ありもしない愛嬌を云つてるだらう。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「なにネ、お加女さん、御婚礼前は誰でもうなんですよ」と、お熊はバツを合はして「ぢやア梅ちやんの名代みやうだいに、松島さん、私が頂戴致しませう」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
權三 それだからおれの名代みやうだいに、嚊をこの通り出してあるぢやあねえか。一軒の家から一人づつ出りやあ澤山だ。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
つかはされし處せがれ忠助は稍々やう/\今年こんねん十一歳なるゆゑ伯父をぢ長兵衞は名代みやうだいとして江戸へおもむかんと調度したくなし金兵衞方に幼少より召使めしつかひし直八と云者萬事ばんじ怜悧かしこくなるに付き之れを召連めしつれ鴻の巣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其方今實父富右衞門の名代みやうだいとなり御仕置になりて相果たらば何樣いかさま富右衞門へ孝行かうかうは立にもせよ養母の養育は誰がするぞ義理有る養母をすつるは不孝ふかう此上無しよも富右衞門夫婦の者共も是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
以て右書面の趣き御聞取成下され候はゞ此上もなき有難き仕合しあはせに存じ奉つり候と云へば内記殿しからば其方名代みやうだいに罷りいづる程の者なれば萬一答へが出來るかと申さるゝに左仲不肖ふせうながら主人の家事むきは支配を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)