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ふりがな文庫
“
古里
(
ふるさと
)” の例文
岩手県上閉伊郡栗橋村字
古里
(
ふるさと
)
という所に一のマツの木あり、年々枝葉繁伸してついに付近の耕地を蔽い日光をさえぎることおびただしかった。
東奥異聞
(新字新仮名)
/
佐々木喜善
(著)
突堤の先端に立っている
警羅
(
けいら
)
の塔の入口から、長靴を
履
(
は
)
いた二本の足が突き出ていた。参木は一人になるとベンチに
凭
(
もた
)
れながら
古里
(
ふるさと
)
の母のことを考えた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そのうちのどれにしても帰りにくかった
古里
(
ふるさと
)
へ、錦子は帰らなければならなかったのだが、故郷にも待っている冷たい眼は、傷心の人を
撫
(
なで
)
てはくれない。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
脚気
(
かっけ
)
を
患
(
わずら
)
って病的な心臓を悪くし、寝るにも起きるにも着たきりの黒い洋服とともに
憊
(
くたぶ
)
れはてて、再縁している
古里
(
ふるさと
)
の母のもとへかえって行ってしまった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
くもりなき水晶の
花瓶
(
はながめ
)
や、
可笑
(
おか
)
しげにふくらみて、二人の顔のうつりたる、
円
(
まろ
)
き
其
(
その
)
横腹の
面
(
おもて
)
には、窓なる額縁に限られて、森の茂りと、
古里
(
ふるさと
)
の空の
画
(
え
)
こそ
描
(
えが
)
かれたれ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
倅
(
せがれ
)
の不孝にこの一年間にめつきり痩衰へて白髮の殖えたといふ父の顏や、凡て屡〻の妹の便りで知つた
古里
(
ふるさと
)
の肉親の眼ざしが自分を責めさいなむ時、高い道念にかゞやいた
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
原籍を鹿児島県、東桜島、
古里
(
ふるさと
)
、温泉場だなんて書くと、あんまり遠いので誰も信用をしてくれないのです、だから東京に原籍を書きなおすと、非常に肩が軽くて、説明もいらない。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
赤子の乳を呑むさまを、きちんと
膝
(
ひざ
)
を折って坐って神妙に眺め、よい子守が出来たと夫婦は笑い、それにつけても、この菊之助も不憫なもの、もう一年さきに
古里
(
ふるさと
)
の桑盛の家で生れたら
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
三重、組んでは
古里
(
ふるさと
)
の
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ただ戀し、われは
古里
(
ふるさと
)
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
去
(
い
)
ね/\かゝる
古里
(
ふるさと
)
は
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
人は歸らぬ
古里
(
ふるさと
)
に
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
かへりみすれば
古里
(
ふるさと
)
の
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
吾
(
わ
)
が
古里
(
ふるさと
)
を忍べばか
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
里
常用漢字
小2
部首:⾥
7画
“古里”で始まる語句
古里庵