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取揚
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とりあげ
憐み
何時迄狂氣でも有まじ其内には
正氣に成るべしとて
連歸り是も
隱居所へ入置
遣はせしに
追々正氣に
相成ければ又々以前の如く
産婦の
取揚を
持て私が取に
來る
然し事に
寄と
來れぬ時は御
前の内へ
直樣取に
遣から一寸請取を
書て
下さいと云ふにぞ道具屋は
書付を
認め
判迄捺て出しければ直八手に
取揚て
讀けるに
貸遣はし世話致し候ひしに兩三年
過右當人平右衞門
死去致し跡には
女房お三と申
婆と娘の兩人に
相成しがお三婆は
産の
取揚を
家業とし娘を
育てしが追々
成長するに
隨ひ
針仕事を