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危気
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あぶなげ
ふりがな文庫
“
危気
(
あぶなげ
)” の例文
旧字:
危氣
この速製の探偵屋に最初のうち少からず
危気
(
あぶなげ
)
を覚えていた私も、いまはもう躊躇するところなく、下男と力を合わせて白鮫号を水際へ押し出した。
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
正司に自ら発明する才がなく、小才をはたらかそうとする野心がないだけ、却って
危気
(
あぶなげ
)
がない。二十三の若冠ながら充分に社長の重責を果している。
明治開化 安吾捕物:06 その五 万引家族
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
青年は、
好事
(
ものずき
)
にも、わざと自分の腰をずらして、今度は
危気
(
あぶなげ
)
なしに両手をかけて、
揺籠
(
ゆりかご
)
のようにぐらぐらと遣ると
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何でもない顔をして模本の雲林を受取った。敵の真剣を受留めはしないで、澄まして
体
(
たい
)
を
交
(
か
)
わして
危気
(
あぶなげ
)
のないところに身を置いたのである。そしてこういうことを言った。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
危気
(
あぶなげ
)
は百枚くらいに達して感じたものの、勢いとなめらかさは遂に説話体になり、それがたとえ失敗に終っても生涯に一度くらい失敗したってよいという度胸を決めて了ったのである。
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
行くときは壁や障子を伝つて
危気
(
あぶなげ
)
に下駄を
穿
(
つつ
)
かけたが、帰つて来てそれを脱ぐと、モウ立つてる
勢
(
せい
)
がなかつた。で、台所の板敷を
辛
(
やつ
)
と這つて来たが、室に入ると、布団の裾に倒れて了つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お妙は玄関
傍
(
わき
)
、生垣の前の井戸へ出て、乾いてはいたが
辷
(
すべ
)
りのある井戸
流
(
ながし
)
へ
危気
(
あぶなげ
)
も無くその曲った下駄で乗った。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殿
復
(
ふたた
)
びお出ましの時には、小刀を取って、
危気
(
あぶなげ
)
無きところを
摩
(
な
)
ずるように削り、
小々
(
しょうしょう
)
の
刀屑
(
かたなくず
)
を出し、やがて成就の
由
(
よし
)
を申し、近々ご覧に入るるのだ。何の思わぬあやまちなどが出来よう。ハハハ。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
危気
(
あぶなげ
)
のある仕事には作家は親しまないものだ。
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「へい、もう、刻限で、
危気
(
あぶなげ
)
はござりましねえ、
嘴太烏
(
ふと
)
も、
嘴細烏
(
ほそ
)
も、千羽ヶ淵の森へ
行
(
い
)
んで寝ました。」
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
危
常用漢字
小6
部首:⼙
6画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“危”で始まる語句
危
危険
危惧
危篤
危殆
危險
危急
危難
危懼
危害