劣等れっとう)” の例文
劣等れっとうの雲雀は戻って来る時あやまってとなりの籠へ這入ったり甚しきは一丁も二丁も離れた所へ下りたりするが普通ふつうはちゃんと自分の籠を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
見せなかったのは、一つには防衛のためであり、また一つには君たち劣等れっとうな人類がわれわれを見て、気が変になるような事があっては困ると思ったからだ
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし何事をすにも報酬ほうしゅうだけの仕事をする考えでは、つまり仕事する人の全部が仕事に入っていないで、ただその人の一部、しかも劣等れっとうなる一部なるよくが入っているのだから
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
貴方あなたはじめ、代診だいしん会計かいけい、それから、すべてこの貴方あなた病院びょういんにいる奴等やつらは、じつしからん、徳義上とくぎじょうにおいては我々共われわれどもよりはるか劣等れっとうだ、なんため我々われわればかりがここにれられておって
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
水棲魚人は、人類よりもずっと劣等れっとうな生物だったから、こみいったことを返事することはできなかった。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのにはかぬところ劣等れっとう人間にんげんすこしもえらところいのだ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)