処方しょほう)” の例文
旧字:處方
下宿げしゅくには書物しょもつはただ一さつ『千八百八十一年度ねんどヴィンナ大学病院だいがくびょういん最近さいきん処方しょほう』とだいするもので、かれ患者かんじゃところときにはかならずそれをたずさえる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「おお、するとこれは、さっきモルフィス船医長の処方しょほうでこしらえた薬がききだしたんだな」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
戸沢は博士に問われる通り、ここ一週間ばかりのお律の容態ようだい可成かなり詳細に説明した。慎太郎には薄い博士のまゆが、戸沢の処方しょほうを聞いた時、かすかに動いたのが気がかりだった。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
爾薩待「いや、そんなことはない。ちゃんと処方しょほう通りやればうまく行ったんだ。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
実を云うとあったのである。しかし話しは過去へさかのぼらんと源因が分からない。源因が分からないと、医者でも処方しょほうに迷惑する。だからここへ引き越して来た当時からゆっくりと話し始める。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、書きとめてきた処方しょほうと薬の数とを読み合している。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、いそいでくすり処方しょほうって、子供こどもはやれてってくれとる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)