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凜冽
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りんれつ
ふりがな文庫
“
凜冽
(
りんれつ
)” の例文
そして始めて女体を知った道鏡の肉慾も
淫縦
(
いんじゅう
)
だった。二人は遊びに飽きなかった。けれども
凜冽
(
りんれつ
)
な魂の
気魄
(
きはく
)
と気品の高雅が、いつも道鏡をびっくりさせた。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
霜威
(
そうい
)
の
凜冽
(
りんれつ
)
たる冬の夜に、見る目も寒く水を浴びしと
覚
(
おぼ
)
しくて、真白の
単衣
(
ひとえ
)
は濡紙を貼りたる如く、よれよれに手足に
絡
(
まと
)
いて、全身の肉附は
顕然
(
あらわ
)
に透きて見えぬ。
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同盟罷工
(
どうめいひこう
)
を
為
(
な
)
し
兼
(
か
)
ねまじき
有様
(
ありさま
)
に至りたるが
如
(
ごと
)
き、かかる場合に於て、予も
幾分
(
いくぶん
)
か頭痛を感ずることあるも、何ともなきを
仮粧
(
かそう
)
したり、また土用中なるにもかかわらず寒気
凜冽
(
りんれつ
)
にして
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
寧ろ寒さ其物が結晶して
権
(
か
)
りに人間らしい姿をして、
不図
(
ふと
)
此原に迷い出したのではなかろうか。其胴体から放散する
凜冽
(
りんれつ
)
の気は、触るる所の何物をも凍らせずには置かないような気がする。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
凜冽
(
りんれつ
)
たる
朔風
(
さくふう
)
は門内の
凍
(
い
)
てた
鋪石
(
しきいし
)
の面を吹いて安物の
外套
(
がいとう
)
を
穿
(
うが
)
つのである。
新年雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
気象学会より寄贈せられたる鑵詰を
噬
(
かじ
)
りて
飢
(
うえ
)
を
凌
(
しの
)
ぎ、また寒気次第に
凜冽
(
りんれつ
)
を加うるといえども、器具散乱して寝具を伸ぶべき余地なく、かつ隔時観測を為しつつあるを以て、睡眠の
隙
(
すき
)
を得ず
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
凜
漢検1級
部首:⼎
15画
冽
漢検1級
部首:⼎
8画
“凜”で始まる語句
凜々
凜
凜然
凜乎
凜烈
凜寒
凜絶