六十むそじ)” の例文
町の西端にしはずれに寺ありてゆうべゆうべの鐘はここより響けど、鐘く男は六十むそじを幾つか越えしおきななれば力足らずえだえのは町の一端はしより一端はしへと、おぼつかなく漂うのみ
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
とき濠端ほりばたかけつけたは、もつぺととなへる裁着たつゝけやうの股引もゝひき穿いた六十むそじあまりの背高せたか老爺おやぢで、こしからしたは、身躰からだふたつあるかとおもふ、おほき麻袋あさぶくろげたのを、あし一所いつしよばして
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)