六兵衛ろくべえ)” の例文
「なに、とんまの六兵衛ろくべえがうらなうって? これほどさがしても見つからぬものを、あんな馬鹿ばかにどうしてわかるものかえ。」
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
娘のお雛と、その弟で四つになったばかりの富太郎とみたろうに、女中のお染と下男の六兵衛ろくべえを付けて、根岸の寮に置き、もっぱら身体の弱い富太郎の養生をさせておりました。
三方子川の漁師六兵衛ろくべえの網に、隻眼隻腕の痩せ浪人と、青白い美男とが引っかかった——。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ムム、それで六兵衛ろくべえ一家いっかもといを成したというが、あるいはマアお話じゃ無いかネ。」
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
晩酌ばんしゃくぜんに向った父は六兵衛ろくべえさかずきを手にしたまま、何かの拍子にこう云った。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ただひとりだけ、藤枝ふじえだの在から奉公に来ていた下僕げぼく六兵衛ろくべえが、目付役とともに島田の宿しゅくまで送ってきた。かれは美濃までの供をねがってきかなかったけれど、みよはかたく拒んでゆるさなかった。
日本婦道記:箭竹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
殿様も、これにも一理いちりがあると思いましたのか、さっそく六兵衛ろくべえを次のうらないに取りかからせました。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
六兵衛ろくべえの家を、パッと飛び出した娘のおつゆ
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
六兵衛ろくべえは心配でたまりませんでした。どうしてうらなったらいいのかまるで見当もつきません。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)