全躰ぜんたい)” の例文
ぬまは、其時分そのじぶんからうごす……呼吸いき全躰ぜんたいかよふたら、真中まんなかから、むつくときて、どつと洪水こうずゐりはせぬかとおも物凄ものすごさぢや。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
オヤ善かッたかい、そうかい、運の善方いいかた何方どっちへ廻ッてもいいんだネー。それというが全躰ぜんたいあの方は如才がなくッて発明で、ハキハキしてお出でなさるからだヨ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
去る頃此滝の石を取よせし人ありて見るに、常の石にあらず全躰ぜんたい鐘乳しようにうなり、木の葉など石中にふくむすなはち石なり。雲林石譜うんりんせきふにいふ鐘乳しようにう転化てんくわして石になるならん云云。
去る頃此滝の石を取よせし人ありて見るに、常の石にあらず全躰ぜんたい鐘乳しようにうなり、木の葉など石中にふくむすなはち石なり。雲林石譜うんりんせきふにいふ鐘乳しようにう転化てんくわして石になるならん云云。
全躰ぜんたい何故おれを免職にしたんだろう、解らんナ、自惚うぬぼれじゃアないがおれだッて何も役に立たないという方でもなし、また残された者だッて何も別段役に立つという方でもなし
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)