光悦こうえつ)” の例文
利休およびその流れをくんだ有名な織田有楽おだうらく古田織部ふるたおりべ光悦こうえつ小堀遠州こぼりえんしゅう片桐石州かたぎりせきしゅうらは新たな配合を作ろうとして互いに相競った。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
いわゆる大茶人と称せられる人々で珠光じゅこうとか紹鴎じょうおうとか利休りきゅうとかまたは相阿弥そうあみのような人々である。下っては光悦こうえつらもそれらの間に列する。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ついで光悦こうえつがおりますが、光悦は中で一番書家臭く、グループの中では一番有名でありながら、私どもが見ては一番書家臭いと思っております。
書道と茶道 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
「実相院町の東の辻——俗にあの辺で本阿弥ほんあみの辻とも呼んでおりますが、そこの本阿弥光悦こうえつの家の奥に、たしかに武蔵が逗留とうりゅうしておる様子なので」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光琳こうりん模様、光悦こうえつ模様などが「いき」でないわけも主としてこの点によっている。「いき」が模様として客観化されるのは幾何学的模様のうちにおいてである。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
いふまでもないが光琳は光悦こうえつ
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
あの朝鮮に住む無智な工人たちの誰もが作り得た一個の飯碗めしわんあたいだになき粗末なる品、それをあの偉大な光悦こうえつが驚歎したとはいかなることであろうか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
光悦こうえつ、山で喰べた麦菓子が、まだ、そなたのたもとに、すこし残っていたであろ。この子にやって下さらぬか」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しからば大雅たいがか、蕪村ぶそんか、玉堂ぎょくどうか、まだまだ。では光琳か、宗達か。なかなか。では、元信もとのぶではどうだ、又兵衛またべえではどうだ、まだだ。光悦こうえつか、三阿弥あみか、雪舟せっしゅうか、もっともっと。
河豚のこと (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
あの光悦こうえつが捕えたいと腐心したのも、南方朝鮮の下手げてな茶碗に潜む美でした。あの木米もくべいが、鋭くねらった煎茶茶碗の美も、明清の下手げてな蒔絵に宿る風格でした。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
光悦こうえつと武蔵との関聯を小説の上に構想していた折も折という気もちが利己的にうごいたからであった。S君も行きましょうとすすめ、Y君も行こうと云いだしてきたてる。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しからば大雅たいが蕪村ぶそん玉堂ぎょくどうか。まだまだ。では光琳こうりん宗達そうたつか。なかなか。では元信もとのぶではどうだ、又兵衛またべえではどうだ。まだまだ。光悦こうえつ三阿弥さんあみか、それとも雪舟せっしゅうか。もっともっと。因陀羅いんだら梁楷りょうかいか。
河豚は毒魚か (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
あの偉大な光悦こうえつの、偉大な「鷹が峰」の茶碗は、個人的作品中最もいいものの一つであろうが、朝鮮の「井戸」の茶碗等に比べると、どうしても勝ちみがない。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「——光悦こうえつや」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
常に最も偉大な工藝家として考えられる光悦こうえつにおいてもそうである。彼の種々な作品を羅列する時、私には彼の陶器よりも漆器よりも、彩画が最も偉大な作と考えられる。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
光悦こうえつや——)
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)