元興寺がんこうじ)” の例文
偶然は友をくものであった。一月も立たぬ中の事である。早く、此都に移って居た飛鳥寺あすかでら元興寺がんこうじ—から巻数かんずが届けられた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
この子が十三になったとき、お百姓ひゃくしょう学問がくもん仕込しこんでもらおうとおもって、元興寺がんこうじ和尚おしょうさんのお弟子でしにしました。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
では、東大寺の明一和尚みょういちおしょうはいかがですか、元興寺がんこうじ慈法じほう和尚は堕落僧でございましょうか。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのころこの元興寺がんこうじ鐘撞堂かねつきどう毎晩まいばんおにが出て、かねつきの小僧こぞうをつかまえてべるというので、よるになると、だれもこわがってかねをつきに行くものがありません。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そしておにのこして行ったあたまかわは、元興寺がんこうじ宝物たからものとしてのこったそうです。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)