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偸見
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ぬすみみ
ふりがな文庫
“
偸見
(
ぬすみみ
)” の例文
英二は、話の間にちらりと大村の顔を
偸見
(
ぬすみみ
)
た。志賀健吉が突然妙な話をはじめたのが、どういう意味かサッパリ見当がつかなかったのだ。
火星の魔術師
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
しかし、お竜ちゃんは、大きな、
無恰好
(
ぶかっこう
)
な数字が一めんに
躍
(
おど
)
っているような私の帳面の方は
偸見
(
ぬすみみ
)
さえもしようとはしなかった。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
同時にお雪が帰って来て、その紙を取上げ、猫板の上に置いたのを、
偸見
(
ぬすみみ
)
すると、
謄写摺
(
とうしゃずり
)
にした強盗犯人捜索の回状である。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「御家内の方でございますか、奥様でいらっしゃるのだと、わたくし存じあげているんですけれど……」主婦はそう言って女客をちらと
偸見
(
ぬすみみ
)
たが、女客は低い声でこたえた。
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
衣裳棚の前に立っている佃の方を、時々好奇心をもって
偸見
(
ぬすみみ
)
るようにしながら、彼は云った。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
人形を見、また一片の石鹸を
偸見
(
ぬすみみ
)
しながら、彼は口の中でこうつぶやいた。「火曜日。——火曜日じゃない。——火曜日かな。——火曜日かも知れん。——そうだ、火曜日だ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
クリストフは恐さにひかれて、半開きの扉の入口から、老人の悲壮な顔を
偸見
(
ぬすみみ
)
ていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼は始めて心安う座を取れば、恐る
惶
(
おそ
)
る狭山は
先
(
ま
)
づその姿を
偸見
(
ぬすみみ
)
て
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
また、凱旋の将軍の夫人が
偸見
(
ぬすみみ
)
の如き
ヒウザン会とパンの会
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
と舌打ちしながら、山鹿の横顔を
偸見
(
ぬすみみ
)
ると、彼は相変らずにやにやと薄く笑いながらわざと
外
(
そ
)
っぽを向いていた。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
そして私はその目のうちらに、自分自身のこうしている姿を、ついいましがた頭の君に
偸見
(
ぬすみみ
)
せられていたでもあろうような影として、何んと云うこともなく
蘇
(
よみがえ
)
らせていた。
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
主任が、ジロジロ私の上気し、輝いている顔を
偸見
(
ぬすみみ
)
ながら云った。
刻々
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
鷺太郎は、
偸見
(
ぬすみみ
)
るようにして、
経木
(
きょうぎ
)
の帽子をまぶかに
被
(
かぶ
)
りゆっくりと歩いて行った。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
おとよさんは、ちらりと女らしい
偸見
(
ぬすみみ
)
で伸子を見た。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
マダム丘子のあけすけな言葉に皆はフッと視線を
外
(
そ
)
らして冷めたいお茶を啜った。私は青木の顔を
偸見
(
ぬすみみ
)
ると、彼は額に皺を寄せた儘わざと音を立てて
不味
(
まず
)
そうにお茶で口を
嗽
(
うが
)
いしていた。
蝱の囁き:――肺病の唄――
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
唯、無言で
頷
(
うなず
)
いたきりであった。そして又、ちらりと春日の横顔を
偸見
(
ぬすみみ
)
た。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
偸
漢検1級
部首:⼈
11画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
“偸”で始まる語句
偸
偸視
偸安
偸盗
偸児
偸聴
偸取
偸盗戒
偸食
偸劫