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倚凭
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よりかか
ふりがな文庫
“
倚凭
(
よりかか
)” の例文
大旦那が大黒柱に
倚凭
(
よりかか
)
って、私のことを『幸作!』と呼んでいるような——あんなヒドイ目に逢いながら、私はよくそういう夢を見ます。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
高い
欄
(
てすり
)
に
倚凭
(
よりかか
)
って聞くと、さまざまの虫の声が水音と一緒に成って、この谷間に満ちていた。その他暗い沢の底の方には種々な声があった。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼は
倚凭
(
よりかか
)
って眺め入っていた
田圃
(
たんぼ
)
の
側
(
わき
)
だの、
藉
(
し
)
いていた草だの、それから岡を
過
(
よぎ
)
る旅人の群などを胸に浮べながら帰って来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
冷
(
すず
)
しい風の来るところを択んで、お福は昼寝の夢を
貪
(
むさぼ
)
っていた。南向の部屋の柱に
倚凭
(
よりかか
)
りながら、三吉はお雪から
身上
(
みのうえ
)
の話を聴取ろうと思った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
引返してお新の居る方へ来て見ると、彼女は太い綱なぞの置いてあるところに
倚凭
(
よりかか
)
って、船から
陸
(
おか
)
の方を眺めていた。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
炉に掛けた
雪平
(
ゆきひら
)
の牛乳も白い泡を吹いて煮立ちました頃、それを
玻璃盞
(
コップ
)
に注いで御二階へ持って参りますと、旦那様は御机に
倚凭
(
よりかか
)
って例の御調物です。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
辰さんは
桟俵
(
さんだわら
)
を取って
蓋
(
ふた
)
をしたが、やがて俵の上に
倚凭
(
よりかか
)
って地主と押問答を始めた。地主は辰さんの言うことを聞いて、目を細め、無言で考えていた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
吾儕は長い間掛って、兄弟に
倚凭
(
よりかか
)
ることを教えたようなものじゃ有りませんか……名倉の
阿爺
(
おやじ
)
なぞに言わせると、吾儕が兄弟を助けるのは間違ってる。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一旦
(
いったん
)
蚊帳の内へ入って見たが、復た
這出
(
はいだ
)
した。夜中過と思われる頃まで、一枚ばかり開けた戸に
倚凭
(
よりかか
)
っていた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こう稲垣の細君が言うと、娘は母に
倚凭
(
よりかか
)
りながら、結婚ということを想像してみるような眼付をしていた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人が友情の結ばれ始めた日——捨吉は菅と共にしばらく廊下の欄に
倚凭
(
よりかか
)
りながら、その日のことを思って見た。チャペルの扉の間からその広間の
内部
(
なか
)
の方に幾つも並んだ長い腰掛が見えた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
年老いた地主は
白髪頭
(
しらがあたま
)
を真綿帽子で包みながら、
屋
(
うち
)
の内から出て来た。南窓の外にある横木に
倚凭
(
よりかか
)
って、寒そうに
袖口
(
そでぐち
)
を
掻合
(
かきあわ
)
せ、我と我身を抱き温めるようにして、辰さん兄弟の用意するのを待った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「房ちゃんのお迎えに来たんだよ」と附添の女は窓に
倚凭
(
よりかか
)
った。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
倚
漢検1級
部首:⼈
10画
凭
漢検1級
部首:⼏
8画
“倚”で始まる語句
倚
倚掛
倚子
倚添
倚懸
倚頼
倚木
倚水楼
倚像
倚声