“俯伏(ひれふ)” の例文
灸所(きゅうしょ)の痛手に金眸は、一声嗡(おう)と叫びつつ、敢(あえ)なく躯(むくろ)は倒れしが。これに心の張り弓も、一度に弛みて両犬は、左右に摚(どう)と俯伏(ひれふ)して、霎時(しばし)は起きも得ざりけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
『何事(なにごと)も天命(てんめい)です、然(しか)し吾等(われら)は此(この)急難(きふなん)に臨(のぞ)んでも、我(わが)日本(につぽん)の譽(ほまれ)を傷(きづゝ)けなかつたのがせめてもの滿足(まんぞく)です。』と語(かた)ると、夫人(ふじん)も微(かす)かにうち點頭(うなづ)き、俯伏(ひれふ)して愛兒(あいじ)の紅(くれない)なる頬(ほう)に最後(さいご)の接吻(せつぷん)を與(あた)へ