“俯仰天地”の読み方と例文
読み方割合
ふぎょうてんち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天下泰平のそのためには、甘んじて賊臣の汚名を受け、しかも俯仰天地ふぎょうてんちに恥じず、どうどうと所信を貫いた。……俺は義時にのっとろうと思う。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
で、もう一度、俯仰天地ふぎょうてんちに恥じずとばかり、にんじんは、両手をひっくり返して見せた——初めは裏、次はおもてと、なお念のため、彼は繰り返した——初めに表、次に裏。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
「ふウム……小賢こざかしい。——王道を暗うし、民人に苛政かせいをしき、徳川門葉もんようのおごりのほか何ものも知らぬ幕府の隠密となって、その小さなほこりをば、おぬし、俯仰天地ふぎょうてんちにはじぬ心事とするか」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)