作事奉行さくじぶぎょう)” の例文
平戸ひらどの海浜で猴がアワビを採るとて手を締められ岩に挟まり動く能わず、作事奉行さくじぶぎょう川上某を招く故行って離しやると、両手を地に付け平伏して去ったとあるが
享保きょうほう十五年、この時の御修復検分としましては、お作事奉行さくじぶぎょう小菅因幡守こすげいなばのかみ、お大工頭だいくがしら近藤郷左衛門こんどうきょうざえもん大棟梁だいとうりょう平内ひらうち郎右衛門ろうえもん、寛保三年、同四年、奉行ぶぎょう曾我日向守そがひゅうがのかみ、お畳奉行たたみぶぎょう別所播磨守べっしょはりまのかみ
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
戦場せんじょうのようにこんざつしている桜門さくらもん方角ほうがくから、ひとりの武将ぶしょうがふたりの従者じゅうしゃをつれ、作事奉行さくじぶぎょう筒井伊賀守つついいがのかみ家臣かしん案内あんないにしたがって、こっちへ向かってくるすがたが小さく見える。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも、作事奉行さくじぶぎょう棟梁とうりょう工匠目付こうしょうめつけも、四方にかけあるいている使番つかいばんもすべてかみ鎧装がいそう陣羽織じんばおりしも小具足こぐそく、ことに人夫にんぷを使っているものなどは抜刀ばっとうをさげて指揮しきしているありさま。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、一里もつづく長い行列が、いま浮世絵のように通っているのは、江戸は麻布の上屋敷を発して来たお作事奉行さくじぶぎょう、柳生対馬守様、つづく一行は同じくお畳奉行、別所信濃守様のお供ぞろい。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
啓之助はそれをさいわいに、誰よりも早く、庭手へ下りかけようとすると、そこへ作事奉行さくじぶぎょうの中村兵庫ひょうご城普請しろぶしん棟梁とうりょう益田藤兵衛ますだとうべえ、そのほか石垣築いしがきづきの役人などが、落ちつきのない顔色でバラバラと
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)