住宅じうたく)” の例文
やがて人通りの餘りない、片側に工場の黒いた塀がつゞき、片側は畑を間にさしはさんで住宅じうたくが數けんならんでゐる、町で一番長い坂道の上に出た。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
土耳古トルコ使しくわん佛蘭士フランス使くわん武官くわん以下西よう人の住宅じうたく非常ひぜうに多い外になかなかとく色のあるじう人を持つてゐる。
平岡ひらをかいへは、此十数年来の物価騰れて、中流社会が次第々々にめられてく有様を、住宅じうたくうへく代表してゐる、尤も粗悪な見苦みぐるしきかまへである。とくに代助には左様さう見えた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)