伊太利いたりー)” の例文
同じメリケン粉でも伊太利いたりー仏蘭西ふらんすの南部の方から出るのは気候風土が日本に似ているせいか大層粘着力が多くって饂飩には極く上等です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
いよ/\伊太利いたりーつといふ間際に、発熱三十九度何分といふ騒ぎで、同行のH少佐を少からず心配させた。
風邪一束 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
伊太利いたりー著作家ちよさくかいたつて流行りうかうの人があつて、其処そこ書林ほんやから、本をあつらへまするに、今度こんど何々なに/\さくをねがひますとたのみにきまする時に、小僧こぞう遣物つかひものを持つてくんです。
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
モデル臺、石膏せきかう胸像きようぞう、それから佛蘭西ふらんす象徴派しやうちやうはの名畫が一まいと、伊太利いたりーのローマンス派の古畫こぐわ摸寫もしやしたのが三枚、それがいづれも金縁きんぶちがくになつて南側の壁間かべ光彩くわいさいを放つてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)