“些(ちよツ)” の例文
『何(なに)が何(なん)でも望遠鏡(ばうゑんきやう)のやうに篏(は)め込(こ)まれては堪(たま)らない!些(ちよツ)と始(はじ)めさへ解(わか)ればもう占(し)めたものだ』此頃(このごろ)では身(み)にふりかゝる種々(いろ/\)の難事(なんじ)を
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
お山は些(ちよツ)と時計を覗(のぞ)いて、『オヤもう四時だよ。お大、人を呼込んでおいて、用事は其限(それきり)かい。又宅(うち)を明けてあるんだらうから、日の暮れないうち、早くお歸り。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
尤も學士には、些(ちよツ)と高慢な點(とこ)があツて、少し面倒な、そして少し得意な説を吐く時には、屹度(きつと)「解るか。」と妙に他を馬鹿にしたやうに謂ツて、ずらり學生の顏を見𢌞したものだ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
風早學士は、覺えず首を縮(ちぢ)めて、我に返ツた。慌てて後へ引返さうとして、勢込むで踵(きびす)を囘(かへ)す……かと思ふと、何物かに嚇(おどか)されたやうに、些(ちよツ)と飛上ツて、慌てて傍へ飛退(とびの)き、そして振返ツた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)