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些
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ちょ
ふりがな文庫
“
些
(
ちょ
)” の例文
この点から見ると、私は少年時代の目を、純一無雑な、
極
(
ご
)
く軟らかなものであると思う。どんな
些
(
ちょ
)
っとした物を見ても、その印象が長く記憶に止まっている。
幼い頃の記憶
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まあ早く行っておいで、——ああ
些
(
ちょ
)
っとお待ち、済まないがまさやに
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を出さして置いて貰おうかね」
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おついでに
些
(
ちょ
)
っと一と廻りしてくださいませんか、わたくし何だか寒気がしてならないんですから。」
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
子は口を
尖
(
と
)
がらせて母の手の指を
咬
(
か
)
んだ。母は「痛ッ」といって手を引っこめた、そして
些
(
ちょ
)
っと
指頭
(
ゆびさき
)
を眺めてから「まアこの子ったら。」といった。子は黙って母を
睥
(
にら
)
んでいた。
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「私が暴れて
打壊
(
ぶちこわ
)
したようなもんですの。あの人はまたどうして、あんなに気が多いでしょう。
些
(
ちょ
)
いと何かいわれると、もう好い気になって一人で騒いでいるんですもの。その癖
嫉妬
(
やきもち
)
やきなんですがね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
同時に祐吉は馬車へ飛移り、釣棹をへし折って席へ突立てて、それへ京太郎の脱いで行った
上衣
(
うわぎ
)
と帽子を冠せた……
些
(
ちょ
)
っと見ると人が乗っているように見える。
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あってもそれは少年時代の
憧
(
あこが
)
れ易い目に、
些
(
ちょ
)
っと見た何の関係もない姿が永久その記憶から離れないと云うような、単純なものではなく、忘れ得ない人々となるまでに、いろいろ複雑した動機なり
幼い頃の記憶
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日は潮干狩の客で賑わった、併し
度々
(
たびたび
)
驟雨があり遂に正午
些
(
ちょ
)
っと廻った時分から本降りになって客は散々の体だった。通船の五十五号にいる火夫弘保君が女をこしらえた。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
否
(
いい
)
え、——
尤
(
もっと
)
も今まで
此室
(
ここ
)
を留守にしていましたが、
些
(
ちょ
)
っと帳場へ訊いてみましょう」
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何しろ、あの黒い、メタン
瓦斯
(
ガス
)
を吐いている水の中へ頭までもぐって為事をするのだから
些
(
ちょ
)
っと
耐
(
こた
)
える。今は午前四時である。横浜へは行くまいと思う、何しろ金がないのだから。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「も、もう削れねえだ、もう、
些
(
ちょ
)
っと、押しても、それで……ああ、危ねえ——」
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
些
(
ちょ
)
っとお伺いしますが、平野さんのお屋敷の方ではありませんか」
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
些
(
ちょ
)
っと
其辺
(
そのへん
)
を歩いて来るから」
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...