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二目
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ふため
ふりがな文庫
“
二目
(
ふため
)” の例文
二目
(
ふため
)
とは見られぬ様に、顔色をかへて驚きしかば、妹は傍より、「かさね」のやうだ、とひやかし、余は痛くその無礼を怒りたる事あり。
明治卅三年十月十五日記事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
突然、彼女の背後から現われ出たものは、華麗な衣裳こそ身につけているが、その顔は
二目
(
ふため
)
と見られぬ、醜い邪悪なものだった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ところを人の味淋だと思って一生懸命に飲んだものだから、さあ大変、顔中
真赤
(
まっか
)
にはれ上ってね。いやもう
二目
(
ふため
)
とは見られないありさまさ……
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「日本人じゃないのよ。異人さんでな。それもお前、まあ
二目
(
ふため
)
とは見られぬ恐ろしい顔のな。それがまた和服で、しかもお役人らしい羽織
袴
(
はかま
)
を着けてじゃ。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
予等に取つては一瞥してさへ
眼睛
(
がんせい
)
の
糜爛
(
びらん
)
を恐れしめ、
二目
(
ふため
)
とは覗かれない程に淒惨なものであるが、どの熔炉の口にも焦熱地獄の
竃
(
かまど
)
を焚く鬼の如き火夫が炭を投じ火を守つて
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
女学生のでこでこした
庇髪
(
ひさしがみ
)
が赤ちゃけて、油についた
塵
(
ごみ
)
が
二目
(
ふため
)
と見られぬほどきたならしい。一同黙っていずれも唇を半開きにしたまま
遣
(
や
)
り
場
(
ば
)
のない目で
互
(
たがい
)
に顔を見合わしている。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
自分の生命よりも大切な
愛
(
いと
)
し子が、松皮疱瘡にかゝつて、玉のやうであつた顏が、
二目
(
ふため
)
とは見られぬ
醜
(
みにく
)
さになつた時の悲哀は、かうでもあらうかと、太政官は縁側に立ちつくしつゝ
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
展覧会によっては、殊に日本画の展覧会などでは、とても
二目
(
ふため
)
と見る気のしない絵が随分あるが、二科会などでは、そんなのはあまり多くは出会わないようである。これは世辞ではない。
二科会展覧会雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「
然
(
さ
)
うすると、
矢張
(
やは
)
り、あの、
二目
(
ふため
)
とは
見
(
み
)
られねえのよ。」
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“二”で始まる語句
二人
二
二十歳
二十
二月
二十日
二日
二重
二個
二間