主立おもだ)” の例文
この競技会の審査員は学芸員の人々また、実技家の主立おもだった人々で、私もその一人でありました。で、いよいよ審査することになると、審査員は困りました。
年の初に前將軍徳川秀忠ひでたゞの葬儀が濟んで、忠之が下國した時、主立おもだつた諸侍は皆箱崎まで迎に出たのに、利章一人は病氣と稱して城下のやしきに閉ぢこもつて出なかつた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
亀吉を見出したのであるが、若いに似合わず熱のある仕事振りが意にかなって、ついこの秋口、鶴喜つるきから開板かいはんした「美人島田八景」に至るまで、その後の主立おもだった版下は
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
そして船中主立おもだった者を、窃に五人だけ呼び寄せて、其夜の出来事を物語った。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おなじ仕組の同じ獅子の、唯一ただひとつには留まらで、主立おもだつたる町々より一つづつ、すべて十五、六頭だし候が、群集ぐんじゅのなかを処々横断し、点綴てんてつして、白き地に牡丹の花、人をおおひて見え候。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その主立おもだつたものは鳥羽とばと云ふ女であつたらしい。これは江戸浪人榊田六左衛門重能さかきだろくざゑもんしげよしと云ふものゝむすめで、振姫の侍女から初子の侍女になり、遂に亀千代附になつたのである。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
会員中の主立おもだった竜池会当時の先輩は申すまでもなく、工人側でも金田兼次郎氏、旭玉山氏、島村俊明氏その他当時知名の彫刻家や、蒔絵師、金工の人たちとも知り合いましたが