両人りょうにん)” の例文
旧字:兩人
両人りょうにんとも花魁の来るのを待って居りまする処へ、花魁がニヤリと笑いながら来ましたから、互に己か/\と考えを附けて、のり出すと
黒装束くろしょうぞくはみなおどしだににいた若い女子おなご源氏閣げんじかくりこんだ者は、武田伊那丸たけだいなまる身内みうち木隠こがくれたつみ両人りょうにんとあとでわかった。おお、それから鞍馬くらま竹童ちくどう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
但しこの大抵と云う度合は両人りょうにんが勝手に作ったのだから他人の場合には応用が出来ないかも知れない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この両人りょうにんらしいのですよ
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほかの女どもゝ驚いて下流しへ這込むやら、又は薪箱まきばこの中へもぐり込むやら騒いでいるうちに、源次郎お國の両人りょうにん此処こゝを忍びで、何処いずくともなく落ちてく。
すると小さいのが姉のした通り同分量の砂糖を同方法で自分の皿の上にあけた。しばらく両人りょうにんにらみ合っていたが、大きいのがまた匙をとって一杯をわが皿の上に加えた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おどろきました伊之助、きょろ/\と両人りょうにんのお若さんを見まわし呆気にとられる。息子の岩次も俄にお母様っかさんが二人出来たのでげすから、これもボーッといたしています。
両人りょうにんごうも希臘語が読めないのである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
実はよんどころなく火をかけて逃げたが、人相書が𢌞って居ようとは知らなかった、婆ア多分の礼も出来んが、両人りょうにん居るだけの手当をした上に少々ぐらいはお前にも心付を致すから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
重「人知れぬ処へ行って両人りょうにんとも討果すからたもとを押えてにがさぬように」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)