“世盛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よざか50.0%
よざかり50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
将軍家の御意ぎょいにかなわないために、おととし急にご隠居なすって、水戸の片田舎に、世盛よざかりの中納言さまとは、まるでちがった暮しを
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の世盛よざかりの、思ひ上れる、美しき女優は、樹の緑せみの声もしたたるが如き影に、かまち自然おのずから浮いて高いところに、色も濡々ぬれぬれ水際立みずぎわだつ、紫陽花あじさいの花の姿をたわわに置きつゝ、翡翠ひすい紅玉ルビイ、真珠など
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
莞爾にっこりしたが、勝山の世盛よざかりには、団扇車で侍女こしもとが、その湯上りの霞を払ったかんざしの花の撫子なでしこの露をいと日覆ひおおいには、よその見る目もあわれであった。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
診察室を出て来たが、深川の勝山、まだ世盛よざかりの頃で、お夏その時は高島田の、年紀とし十七であった。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)