世盛よざか)” の例文
将軍家の御意ぎょいにかなわないために、おととし急にご隠居なすって、水戸の片田舎に、世盛よざかりの中納言さまとは、まるでちがった暮しを
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の世盛よざかりの、思ひ上れる、美しき女優は、樹の緑せみの声もしたたるが如き影に、かまち自然おのずから浮いて高いところに、色も濡々ぬれぬれ水際立みずぎわだつ、紫陽花あじさいの花の姿をたわわに置きつゝ、翡翠ひすい紅玉ルビイ、真珠など
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)