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不得要領
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ふとくようりょう
ふりがな文庫
“
不得要領
(
ふとくようりょう
)” の例文
後から続いた岡っ引の葬式彦兵衛もいつものとおり
不得要領
(
ふとくようりょう
)
ににやりと笑いを洩らしただけでそれでも完全に同意の心を表していた。
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
低気圧とは何の事だか、君の平生を知らない余には
不得要領
(
ふとくようりょう
)
であったけれど、来客謝絶の四字の方が重く響いたので、聞き返しもしなかった。
長谷川君と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ワトソン君、今度の土曜日の朝は、一つ一緒に出かけて行って、この奇妙な、
不得要領
(
ふとくようりょう
)
な事件を、見事に結末をつけてしまおうじゃないかね?
自転車嬢の危難
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
同じことを注意されると、
畏
(
かしこ
)
まりましたで引き
退
(
さが
)
る。また呼ばれるとまた別の男が出る。その
不得要領
(
ふとくようりょう
)
の中に縁日は済んでしまうのだそうです。
幕末維新懐古談:43 歳の市のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
彼が
不得要領
(
ふとくようりょう
)
の
申立
(
もうしたて
)
をすれば
為
(
す
)
るほど、
疑惑
(
うたがい
)
の眼はいよいよ彼の上に
注
(
そそ
)
がれて、係官は厳重に
取調
(
とりしらべ
)
を続行した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
結局
不得要領
(
ふとくようりょう
)
で分れたが、それがやっぱりこの世のどこかにいる、もう一人の僕のことだったかも知れないね
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「ところが、あの二人の角兵衛獅子というのが……まことに妙な因縁でして……」と万吉は、
不得要領
(
ふとくようりょう
)
に、ちょッと
髷
(
まげ
)
を掻きながら、うしろに隠れているお綱を指した。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と赤羽君は
不得要領
(
ふとくようりょう
)
な男だ。大に主張するのかと思っていたら、直ぐに妥協してしまった。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかし同じ問題について、利益を受けようとしても、受けられない事が
間々
(
まま
)
あったといわなければならない。先生の談話は時として
不得要領
(
ふとくようりょう
)
に終った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「本当にいないのです。婆さんに尋ねても
不得要領
(
ふとくようりょう
)
なので、二階へ上って見たんですが、猫の子一匹いやしない。じゃ、裏口からでも外出したのかも知れませんね」
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と
不得要領
(
ふとくようりょう
)
に終った。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この問答は私にとってすこぶる
不得要領
(
ふとくようりょう
)
のものであったが、私はその時
底
(
そこ
)
まで押さずに帰ってしまった。しかもそれから四日と
経
(
た
)
たないうちにまた先生を訪問した。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不審に思って赤井さんの顔を眺めると、彼は
不得要領
(
ふとくようりょう
)
にニヤニヤ笑っているばかりだ。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何か
急
(
いそぎ
)
の用でもできたのかと聞くと、いや何というばかりで、
不得要領
(
ふとくようりょう
)
にまた箸を取ったが、どことなくそわそわした様子で、まだ段落のつかない用談をそのままに
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが、何という
不得要領
(
ふとくようりょう
)
な、不可思議千万な殺人事件であったことか。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
要
常用漢字
小4
部首:⾑
9画
領
常用漢字
小5
部首:⾴
14画
“不得”で始まる語句
不得手
不得已
不得
不得心
不得止
不得策
不得御意