トップ
>
不取敢
>
とりあへず
ふりがな文庫
“
不取敢
(
とりあへず
)” の例文
不取敢
(
とりあへず
)
その惢を捻上げると、パッと
火光
(
あかり
)
が發して、暗に慣れた眼の眩しさ。天井の低い薄汚ない室の中の
亂雜
(
だらしなさ
)
が一時に目に見える。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
不取敢
(
とりあへず
)
、東京に居る細君のところへ、と丑松は引受けて、電報を打つ為に郵便局の方へ出掛けることにした。夜は深かつた。往来を通る人の影も無かつた。是非打たう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
貫一さんや、
私
(
わし
)
だ。
疾
(
とう
)
にも訪ねたいのであつたが、何にしろ居所が
全然
(
さつぱり
)
知れんので。
一昨日
(
おとつひ
)
ふと聞出したから
不取敢
(
とりあへず
)
かうして出向いたのだが、病気はどうかのう。何か、
大怪我
(
おほけが
)
ださうではないか
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
不取敢
(
とりあへず
)
湯に入つてると、お八重お定が訪ねて來た。一緒に
晩餐
(
めし
)
を了へて、明日の朝は一番汽車だからといふので、其晩二人も其宿屋に泊る事にした。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
不取敢
(
とりあへず
)
開封して読下して見ると、片仮名の文字も簡短に、父の死去したといふ
報知
(
しらせ
)
が書いてあつた。突然のことに驚いて了つて、半信半疑で繰返した。確かに死去の報知には相違なかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
漸
(
やうや
)
く唯継の
立起
(
たちあが
)
れば、宮は
外套
(
がいとう
)
を着せ掛けて、
不取敢
(
とりあへず
)
彼に握手を求めぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
不取敢
(
とりあへず
)
湯に入つてると、お八重お定が訪ねて来た。一緒に晩餐を了へて、明日の朝は一番汽車だからといふので、其晩二人も其宿屋に泊る事にした。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
不取敢
(
とりあへず
)
、一つ差上げませう。』と丑松は
盃
(
さかづき
)
の酒を飲乾して
薦
(
すゝ
)
める。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「天麩羅二つ。」と
吩附
(
いひつけ
)
てやつてドシリと胡坐をかくと、
不取敢
(
とりあへず
)
急がしく足袋を穿き代へて、古いのを床の間の隅ツこの、
燈光
(
あかり
)
の屆かぬ暗い所へ投出した。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
不取敢
(
とりあへず
)
気の小さい兼大工を説き落し、兼と二人でお定の家へ行つて、同じ事を遠廻しに
詳々
(
くどくど
)
と喋り立てたのであるが、母親は流石に涙顔をしてゐたけれども
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さてこれから
怎
(
どう
)
したもんだらう? と考へたが、二三件向うに煙草屋があるのに目を附けて、
不取敢
(
とりあへず
)
行つて、「敷島」と「朝日」を一つ宛買つて、
一本點
(
つ
)
けて出た。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さてこれから怎したもんだらう? と考へたが、二三軒向うに煙草屋があるのに目を付けて、
不取敢
(
とりあへず
)
行つて、「敷島」と「朝日」を一つ
宛
(
づつ
)
買つて、一本
点
(
つ
)
けて出た。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と言つて、
懈
(
だる
)
さうに
炉辺
(
ろばた
)
から立つて来て、風呂敷包みを受取つて戸棚の前に行く。海苔巻でも持つて行くと、
不取敢
(
とりあへず
)
それを一つ頬張つて、風呂敷と空のお重を私に返しながら
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それで
不取敢
(
とりあへず
)
離室
(
はなれ
)
の八畳間を吉野の
室
(
へや
)
に充てて、自分は母屋の奥座敷に机を移した。吉野と兄の室の掃除は、下女の手伝もなく
主
(
おも
)
に静子がする。兎角、若い女は若い男の用を足すのが嬉しいもので。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
朝に目を覺まして、床の中で
不取敢
(
とりあへず
)
新聞を讀む。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
朝に目を覚まして、床の中で
不取敢
(
とりあへず
)
新聞を読む。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
敢
常用漢字
中学
部首:⽁
12画
“不取敢”で始まる語句
不取敢得貴意度