“とりあへず”の漢字の書き方と例文
語句割合
不取敢100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不取敢とりあへず湯に入つてると、お八重お定が訪ねて來た。一緒に晩餐めしを了へて、明日の朝は一番汽車だからといふので、其晩二人も其宿屋に泊る事にした。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
不取敢とりあへず開封して読下して見ると、片仮名の文字も簡短に、父の死去したといふ報知しらせが書いてあつた。突然のことに驚いて了つて、半信半疑で繰返した。確かに死去の報知には相違なかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
やうやく唯継の立起たちあがれば、宮は外套がいとうを着せ掛けて、不取敢とりあへず彼に握手を求めぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)