上元じょうげん)” の例文
ちょうど上元じょうげんの日であった。水月寺の尼僧達が盂蘭盆会うらぼんえを行ったので、その日はそれに参詣さんけいする女が四方から集まって来た。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
げんの末に方国珍ほうこくちんと云う者が浙東せっとうの地に割拠すると、毎年まいねん正月十五日の上元じょうげんから五日間、明州みんしゅうで燈籠をけさしたので、城内じょうないの者はそれをて一晩中遊び戯れた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こよいは上元じょうげん佳節かせつというので、親族や知己朋友が集まっていた。董承も病室ではあるが、吉例として数献すうこんの酒をかたむけ、いつかとろとろとしょうによって眠ってしまった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その頃なにがしという鶉の好きな王があって、正月十五日の上元じょうげんの節にあうごとに、民間の鶉を飼っている者を呼んで、それを闘わさした。旅館の主人は成に向って
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
翌晩は上元じょうげん佳節まつり、一月十五日の月は、月さえふだんよりも大きく美しく見える。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちに上元じょうげんの節となった。母方の従兄弟いとこという者があって、それが迎いに来たので一緒に遊びに出て、村はずれまでいった時、呉の家のげなんが呉を呼びに来てれていった。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)