三処みところ)” の例文
旧字:三處
自分の知つて居る日本婦人が物好きに一つ買つたのは毛が三処みところに附けられて居て、前のを左右に下へ梳いてうしろへ廻し
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
陰惨な鼠色のくまを取った可恐おそろしい面のようで、家々の棟は、瓦のきばを噛み、歯を重ねた、その上に二処ふたところ三処みところ赤煉瓦あかれんがの軒と、亜鉛トタン屋根の引剥ひっぺがしが、高い空に、かっと赤い歯茎をいた
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
住居の門口かどぐちらしい微暗うすぐらい燈のした処が、右側に三処みところばかりあった。女はその最後の微暗い燈の家へ、門口の格子こうしを開けて入り、建てつけの悪いその戸をガシャリと閉めてしまった。
妖影 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
駅員が三人で三処みところの改札口を守っているが仲々さばき切れない。バスケットを差上げる田舎者。金切声を出して駈け出す令嬢。モシモシと呼び止める駅員。オーイオーイと帽子を振る学生なぞ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)