万代よろづよ)” の例文
旧字:萬代
憶良の歌というのは、巻六(九七八)の、「をのこやもむなしかるべき万代よろづよに語り継ぐべき名は立てずして」というのであった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
香央も従来もとよりねがふちなみなれば深く疑はず、妻のことばにきて、婚儀ことぶきととのひ、両家の親族氏族うからやから四九鶴の千とせ、亀の万代よろづよをうたひことぶきけり。
せめては師の君訪ひ来ませと待てど、立つ名は此処にのみならで、憚りあればにや音信おとづれもなく、とえし中に千秋を重ねて、万代よろづよいわふ新玉あらたまの、歳たちかへつて七日の日きたりき
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さしつぎに見るものにもが万代よろづよをつげの小櫛も神さぶるまで
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
遠きおやの片身のよろひ万代よろづよにいかで我が名も伝へてしがな
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
万代よろづよに変らぬゆき深山路みやまぢ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
をのこやもむなしかるべき万代よろづよかたりつぐべきてずして 〔巻六・九七八〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その屋根を天にたとえることは、新家屋を寿ことほぐのが主な動機だから自然にそうなるので、また、万葉巻十九(四二七四)の新甞会にいなめえの歌の「あめにはも五百いほつ綱はふ万代よろづよに国知らさむと五百つ綱ふ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)