トップ
>
一気呵成
>
いっきかせい
ふりがな文庫
“
一気呵成
(
いっきかせい
)” の例文
この歌万葉時代に流行せる
一気呵成
(
いっきかせい
)
の調にて少しも
野卑
(
やひ
)
なるところはなく字句もしまり居り候えども、全体の上より見れば上三句は
贅物
(
ぜいぶつ
)
に属し候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
まず以上で花と実との
概説
(
がいせつ
)
を
了
(
お
)
えた。これは
一気呵成
(
いっきかせい
)
に
筆
(
ふで
)
にまかせて書いたものであるから、まずい点もそこここにあるであろうことを恐縮している。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それで語学も数学もその修得は
一気呵成
(
いっきかせい
)
にはできない。平たくいえば、飽きずに急がずに長く時間をかける事が、少なくとも「必要条件」の一つである。
数学と語学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その代り筆がちっとも滞っていない。ほとんど
一気呵成
(
いっきかせい
)
に仕上げた趣がある。絵の具の下に鉛筆の輪郭が明らかに透いて見えるのでも、
洒落
(
しゃらく
)
な画風がわかる。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
椿岳は常から弱輩のくせに通人顔する楢屋が気に入らなかった
乎
(
か
)
、あるいは羽織の胴裏というのが
癪
(
しゃく
)
に
触
(
さわ
)
った乎して、例の泥絵具で
一気呵成
(
いっきかせい
)
に地獄変相の図を描いた。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
その
一気呵成
(
いっきかせい
)
的なゾンザイサというものは、やはり前とおんなじ事なので……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
尺を得れば尺、寸を
獲
(
う
)
れば寸と云う
信玄流
(
しんげんりゅう
)
の月日を送る田園の人も、夏ばかりは
謙信流
(
けんしんりゅう
)
の
一気呵成
(
いっきかせい
)
を作物の上に
味
(
あじ
)
わうことが出来る。
生憎
(
あいにく
)
草も夏は育つが、さりとて草ならぬものも目ざましく
繁
(
しげ
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかも、その
一気呵成
(
いっきかせい
)
の大業もまた
波瀾万丈
(
はらんばんじょう
)
な毎日毎日であった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
横顔はとにかく中止として今度はスケッチ板へ
一気呵成
(
いっきかせい
)
に正面像をやってみる事にした。
二十日
(
はつか
)
間苦しんだあとだから少し気を変えてみたいと思ったのである。
自画像
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
やがて「天然居士は空間を研究し、論語を読み、
焼芋
(
やきいも
)
を食い、
鼻汁
(
はな
)
を垂らす人である」と言文一致体で
一気呵成
(
いっきかせい
)
に書き流した、何となくごたごたした文章である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
のごとき何も別にめずらしき趣向もなく候えども、
一気呵成
(
いっきかせい
)
のところかえって真心を現して余りあり候。ついでに字余りのこと
一寸
(
ちょっと
)
申候。この歌は第五句字余りゆえに面白く候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
書き
溜
(
た
)
めて置くと、どうもよく出来ぬ。
矢張
(
やはり
)
一日一回で筆を止めて、後は明日まで頭を休めて置いた方が、よく出来そうに思う。
一気呵成
(
いっきかせい
)
と云うような書方はしない。
文士の生活:夏目漱石氏-収入-衣食住-娯楽-趣味-愛憎-日常生活-執筆の前後
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「禅学者にも似合わん
几帳面
(
きちょうめん
)
な男だ。それじゃ
一気呵成
(
いっきかせい
)
にやっちまおう。——寒月君何だかよっぽど面白そうだね。——あの高等学校だろう、生徒が
裸足
(
はだし
)
で登校するのは……」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
換言すれば
爪懸
(
つまがか
)
りのいいものはない。その爪懸りのいい幹へ
一気呵成
(
いっきかせい
)
に
馳
(
か
)
け
上
(
あが
)
る。馳け上っておいて馳け下がる。馳け下がるには二法ある。一はさかさになって頭を地面へ向けて下りてくる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
乗らざるにあらざるなり、ともかくも人間が自転車に附着している也、しかも
一気呵成
(
いっきかせい
)
に附着しているなり、この意味において乗るべく命ぜられたる余は、疾風のごとくに坂の上から転がり出す
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
呵
漢検1級
部首:⼝
8画
成
常用漢字
小4
部首:⼽
6画
“一気”で始まる語句
一気
一気息