一定いちじょう)” の例文
「されば、はしなくここに宰相さいしょうの将軍をお迎えしたてまつるもまことに不思議。ここを根じろに、一定いちじょう、弔合戦の覚悟にござりまする」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大方、例の『敦盛』と同じように好んで居た「死のうは一定いちじょうしのび草には何をしよぞ、一定かたりのこすよの……」
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
御念仏をも人の聞かぬように御申しある人なりと、常々京都の取り沙汰ざたにてはべるよし、一定いちじょう誠に思いいらせたまえる後世者ごせしゃにてわたらせおわしますよな
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
「とても地獄じごく一定いちじょうすみかぞかし」とか、「親鸞は弟子でし一人も持たずさふらふ」とか、「父母の孝養こうようのためとて、念仏一返にても申したることいまださふらはず」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そのわけで……枕の色も、ねやの姿も、これは、一定いちじょうさもあるべきを、うかうか聞くのであったから。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「往生は一定いちじょうと思えば一定なり。不定ふじょうと思えば不定也」
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その声こそ、一定いちじょう悪魔の所為しょいとは覚えたれ。
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
まつりごといくさ一定いちじょうと仰せられ、さて、秀吉も人間、民と一者なり、と伺いましたが、その人間とは一体、見た通りのものが真性か。底の底にあると仰せの善美が真性か。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なお仏師から手紙が添って——山妻云々とのおことば、あるいはおたわむれでなかったかも存ぜぬが、……しごとのあいだ、赤門寺のお上人が四五度もしばしば見えて、一定いちじょうそれになぞらえ候よう
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とまれ吉野大衆は不変のおたすけをいたさんと衆議一定いちじょういたしました。歴代、朝廷あっての公卿廷臣が、このに、ちょうの存亡を疑い、身ひとつの去就に迷うなどとは、何としたことでしょうか
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敵の雑兵ぞうひょうをも相手にして雑兵の如き奮戦すら敢えてした。「名もなき者に首を取られんことの口惜し——」などという生やさしい名聞などは彼の顧慮こりょするところでない。——死のうは一定いちじょうだ。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「死のうは一定いちじょう……」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
死のうは一定いちじょう
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
死のうは一定いちじょう
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)