“波濤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はとう77.8%
なみ12.5%
はたう8.3%
おおなみ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もしマストが折れたら船には一本のマストもなくなる、このまま手をむなしくして、波濤はとうの底にしずむのをまつよりほかはないのだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
其時大鈴の音が響き渡つた。教室々々の戸が開いた。他の組の生徒も教師も一緒になつて、波濤なみのやうに是方こちら押溢おしあふれて来た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それより、わたくし武村兵曹たけむらへいそうとは、艦中かんちう一同いちどうからふでにもことばにもつくされぬ優待いうたいけて、印度洋インドやう波濤はたうつて、コロンボのみなとへとすゝんでく。
人の生血の波濤おおなみのあたり見るような、烈しい生存の渦中に身を投げて、心ゆくまで戦って戦って、戦い尽して見たいという悲壮な希望に満たされていたからである。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)