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りよかうしや
もう
夜になつた
頃だ。
深い
谷間の
底で
天幕を
張つた
回々教の
旅行者が二三
人、
篝火を
囲んでがやがや
話してゐた。
そこでペンペの
話しを
聞いたラランは、
深く
自分の
悪かつたことを
悔いて、ペンペを
葬つてくれた
旅行者たちにすべてを
懺悔した。
翌朝、
旅行者たちは
天幕をたゝんで
北の
方に
発つた。
回々教の
旅行者たちはすつかり
面喰つて、ラランを
火の
中から
引き
出したが、やつと
正気づいたラランは
舌の
自由がきかないほど、
口の
中を
火傷してゐた。カラカラと
笑ふどころではなかつた。