“らんかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ランカン
語句割合
欄干91.7%
闌干4.0%
欄杆1.6%
欄間1.2%
蘭館0.8%
爛干0.4%
蘭艦0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
入口のふすまをあけてえんへ出ると、欄干らんかんが四角に曲って、方角から云えば海の見ゆべきはずの所に、中庭をへだてて、表二階の一間ひとまがある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いわゆる黄昏の空はまだ太陽の光はどことなくとどめているのにはや闌干らんかんたる宵の明星は光を放っているというような
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
わたりは二十間あまり、橋のひろさは三尺にたらず、欄杆らんかんはもとより作らず、橋を渡りてむかひの岸に藤綱ふぢづなを岸の大木にくゝしげてあり。これすがりて岸にのぼるたよりとす。
もう九時に近いらしく、廊下の欄間らんかんから射し入る白い光が部屋のなかを流れてゐた。蛍に似た幽かな匂ひのする青蚊帳は、朝の自分の不調和な姿を羞ぢてゐるやうに力なく垂れてゐた。
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
そこからは落寞らくばくたる歓楽の絃歌げんかが聞こえ、干からびた寂しい笑い声がにぎやかにもれて来る。——それは普通オランダ屋敷と呼ばれている「出島の蘭館らんかん」である。
唯今ただ春日爛干らんかん蝶も飛ばず
七百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
英艦四隻、仏艦三隻、米艦一隻、蘭艦らんかん一隻、都合九隻の艦隊が連合して横浜から兵庫に入港したのは、その年の九月十六日のことであった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)