欄間らんかん)” の例文
そして、沙流さる川にかかつた九十五間のおほ橋の欄間らんかんには、驅け馬を切り拔いてある。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
もう九時に近いらしく、廊下の欄間らんかんから射し入る白い光が部屋のなかを流れてゐた。蛍に似た幽かな匂ひのする青蚊帳は、朝の自分の不調和な姿を羞ぢてゐるやうに力なく垂れてゐた。
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
生木なまきを割かれて勘兵衞をうんと怨んで、一度は加賀屋のあたりをウロウロして若い者に袋叩きにされて居ますが、宜いあんべえに、親方の月齋と一緒に江の島の辨天樣の欄間らんかんの修復に行つて