“よしずばり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
葭簀張65.0%
葭簾張12.5%
葦簀張10.0%
葦簾張7.5%
葮簀張2.5%
蘆簀張2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葭簀張よしずばりの茶店が一軒、色の黒いしなびた婆さんが一人、真黒な犬を一匹、膝にひきつけていて、じろりと、犬と一所いっしょに私たちをながめましたっけ。……
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんな事を言いながら、小屋の後ろの方、見物人のために作った、葭簾張よしずばりの便所の側まで行くと、平次は黙って突立ったまま、しばらくは動こうともしません。
こりゃ何ですって、佃島つくだじまの弁天様の鳥居前に一人で葦簀張よしずばりを出しているんですって。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
而も同じように葦簾張よしずばりの小屋が並んでいるので、母達のいる小屋はどれがそれとも見当がつかなかった。私は大急ぎで帰った。ようやく小屋を見つけて入ると、母達の姿は見あたらなかった。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)
是れでお瀧は茂之助へ面当つらあてしく、わざとつい一里と隔たぬ猿田村やえんだむら取附とりつきに山王さんのうさまの森が有ります、其の鎮守の正面むこうに空家が有りましたからこれを借り、葮簀張よしずばり掛茶店かけぢゃやを出し
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すぐわきに、空しき蘆簀張よしずばりの掛茶屋が、うもれた谷の下伏せの孤屋ひとつやに似て、御手洗みたらしがそれに続き、並んで二体の地蔵尊の、来迎らいごうの石におわするが、はて、このはの、と雪に顔を見合わせたまう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)