“葦簾張”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よしずばり60.0%
よしずば40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、それと同時に彼のおもてにも暗い困惑の色が浮んで来て、やがて其処を立つて、そろ/\葦簾張よしずばりの外へ出て行つた。間もなく彼女もそこを離れた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
而も同じように葦簾張よしずばりの小屋が並んでいるので、母達のいる小屋はどれがそれとも見当がつかなかった。私は大急ぎで帰った。ようやく小屋を見つけて入ると、母達の姿は見あたらなかった。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)
小学時代に、夏が来ると南磧みなみがわらに納涼場が開かれて、河原の砂原に葦簾張よしずばりの氷店や売店が並び、また蓆囲むしろがこいの見世物小屋がその間に高くそびえていた。
涼味数題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
河原へ突き出された葦簾張よしずばりの仮小屋の入口に、下品な男が息んだ銅魔声を絞つて、暑さうに胸をはだけながらぞろ/\とくり込む群集から、大人五銭、小人二銭の木戸銭をとつてゐた。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)